かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「これ、初めにやったやつ、力学」
 基礎理論、とそこにはゴシック体でかかれている。
「中学でもやっただろ、滑車」
 タイヤみたいなやつが、宙に浮いていて、囚われの宇宙人みたいに両方からロープで吊るされている。
「これは力の向きを変える装置」
「中学の時は面白いって思ってたんだけどな。いきなり数式できちゃうと……」
「な、面白いんだよ。図をあたまに描くといい」
 高野先生はいつもの飄々とした雰囲気ではなく、ちゃんとした先生として私に教えてくれる。
「黒沢は想像力があるから、大丈夫だ」
「う~ん」
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