かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 やっぱり高野先生は先生で、家で勉強する時“物理大好き”って言ってから教科書を開くと、不思議と物理と仲良くなれた気がした。
 冬休みの補講に出るハメになってしまったけれど、何だかするすると内容が飲みこめるようになっていた。
 純は冬休みも、軽音の部活がない日でも視聴覚室で作業をしていた。
 補講の終わりに待ち合わせて、一緒に帰る日々が続いた。
「もうすぐだね、クリスマス」
「そうだな」
 隣で歩いている純は、はーっと白い息を吐き、その行方を追っている。
 今日は曇天。今にも雪が降り出しそうだ。
 純は黒のダッフルコートを着ていて、そのクールな印象にダッフルというギャップありありの格好。それが可愛くて愛おしい。
 背中にはいつものギターのハードケース。
「クリスマス、デートする?」  
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