かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
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 そして、季節は過ぎて。
 今日は卒業式の日だ。
 壇上で卒業証書を受け取る瞬を、遠くから見ていた。
 瞬――。
 瞬のお陰で、私は祐太の呪縛から逃れることができた。
 いや、呪縛とか、逃れるというのも違う。
 新たな一歩を踏み出す勇気をもらった。
 ありがとう、瞬。
 人気者の瞬は、壇上で女の子たちの“いやー卒業しないで!”“瞬先輩~! ずっと好きです”なんてレモン色の声援を片手で受け止めていた。
 私は彼にかける言葉なんてない。
 声には出来ずじまいだった。
 だから、式の途中で私は誰もいない教室へと駆け込み、ノートを引きちぎってはワードをしたためた。
 筆を走らせる。
 一気に書き上げた。
 そしてまた、卒業式終わりの昇降口へと急いだ。
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