かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 寡黙で、あまり表情がない彼の、本当の気持ち。
 音楽にしか思い入れがないのだろうけど、その音楽もどうやって彼の脳内工場で生産されているのか、見てみたい。
「柚実、ちょっと曲聴いて欲しいんだけど」
 私が鞄から教科書を取り出していると、後ろから声をかけてきた。
 振り返ると、彼は席を立っている。
「いいけど」
「じゃ、行こう」
「行く? 今から? 授業は?」
「そんなもの知らない」

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