かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 ぷっ、と私は吹き出してしまった。
 確かに、彼は音楽以外のことってあまり興味なさそうだ。
 それでも勉強ができるのは凄いと思う。
 改めて、彼のあたまの中は一体どうなってるのだろうと、知りたくなる。
 もっと純を知りたい。
 そう浸っていると純の姿が教室の中から消えているのに気づく。
 慌てて廊下に出ると、もう既にギターのケースを背負っている純がずんずんと歩き出していた。
「純」
 彼の名を呼び、小走りで駆け寄る。
 純、と、名前を呼べるのが嬉しい。
 肩を揃えて歩けるのが嬉しい。
 ちょっと触れそうな距離で、悪友だとか何だかんだ言っても、ほら、こんなにもどきどきしてしまう。
 友だち以上恋人未満。
 こんな関係で、今は満足。
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