かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 それは聴き紛うことのない、私が書いた文だった。
 でも純は、そのフレーズだけ歌って、弾く手を止めてしまった。
「言葉にできない、切なさの言葉ってちょっとひっかかるんだ」
「そう」
「歌によく乗り切れてない。単語が重複している。もっと他のセンテンスを」
 ダメ出しされた、そう思った。
「私は、別にプロの書き手じゃないし」
「そう言うなよ。ずっと俺たちの曲を支えてきただろ」
 真剣な表情の純。
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