かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 手助けしたい、と、次の瞬間には思っていた。
 制服のポッケから、いらないメモ帳と入っていた鉛筆を取り出す。
“言葉にできない 切なさの言葉”
 そう、書き記して。
 少し考えあぐねて、ペン先を走らせた。
“ららら ら に
込めても
切なすぎて風にならない”
 そして書いたものを、純に見せる。
 彼は数度頷いて、そして気を取り直したかのように、ギターを構えて歌う。
 そして、うん、と頷いて。
「これがいい」
 と、ひと言呟いた。
 私には、どっちがいいとかダメとか解らなかったけど。
< 55 / 400 >

この作品をシェア

pagetop