かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 純も――仄かに、私を好いてくれていると思っていたものだから。
 別に流されてもいい言葉だった。 
「なあ、軽音の練習に顔出さないか。もっともっと、バンドのこと知って欲しいんだ」
「瞬がいる」
 瞬とは、森村瞬先輩のことで、私とつきあっていたような、なかったような、だけどそんな微妙な関係で。
 関係を断ってから、まだ半年も経っていなかった。
「瞬は――あまり気にしていないのかもしれない」
「そうかもしれない。でも」
「そうか」
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