かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
そこで、照明が一気に落ちた。
 ざわめく室内。
 すっとドアが開いて、晴也さんが登場した。
 きゃー、っと、小さな悲鳴が聞こえる。
 ぱらぱらと拍手が巻き起こる。
晴也さんは、ちらっと客席を見渡して、そしておもむろに歌い出した。
 私は知らない曲だった。
 だけど――。
 伸びやかで、高い声も出ていて、声量もあって。





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