かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
それだけで、充分だった。
彼の歌を彩るのは、ただそれだけで。
一曲目が終わると、どうもありがとう、と、晴也さんは片手を挙げた。
「今回も、こんなにもお客さんが見に来てくれて、ありがたいです」
こんなにも――?
私は、ひっかかりを覚えた。
純たちの軽音バンドの方が、体育館を埋め尽くすくらい、ずっと観客はひしめいていた。
片やこちらはプロなのに、30人にも満たない観客。
仮にも紅白にまで出たバンドの、ボーカルのライブなのに。
どうしてここまで――。
私は疑念を抱かずにはいられなかった。
彼の歌を彩るのは、ただそれだけで。
一曲目が終わると、どうもありがとう、と、晴也さんは片手を挙げた。
「今回も、こんなにもお客さんが見に来てくれて、ありがたいです」
こんなにも――?
私は、ひっかかりを覚えた。
純たちの軽音バンドの方が、体育館を埋め尽くすくらい、ずっと観客はひしめいていた。
片やこちらはプロなのに、30人にも満たない観客。
仮にも紅白にまで出たバンドの、ボーカルのライブなのに。
どうしてここまで――。
私は疑念を抱かずにはいられなかった。