かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 さっきの迎え入れた素人の女のひととの、声量が全然違う。
 はっきりと聞こえるし、しっかりと歌詞が届く。
 声量の問題ではないのかもしれない。
 純は、歌がうまい。
 晴也さんに似た、ハイトーン。
 ガラスに似た感じの声に、高橋晴也さんがハモってくれて、共鳴している。
 晴也さんも、おやっ、という顔をして、そしてずっとにこにこで純の顔を見つめている。
 そんな純も、晴也さんを見つめる。
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