Flower Pink




戸惑う私に桜雅さんは切ない顔をした。



「……今から全部話すから聞いてくれるか?」



「……はい」



……これから桜雅さんが話すことは桜雅さんの過去なのだろう。



私はちゃんと桜雅さんの話を聞くことにした。



____……



3年前、福岡。



「桜雅、この子が宮蔵財閥の娘、宮蔵奏さんだ」



中3の春、いきなり親父に飯に行こうと誘われたかと思ったらなにやら結婚の話に参加させられていた。



……誰だよこの人たち……これ、お見合いってやつだよな?



俺まだ中学生なんだけど……



「はじめまして、宮蔵奏です。えっと……桜雅くんより3つ歳上になるんだけど……よろしくね」



ニコッと爽やかに笑う目の前の奏に俺は驚く。



……3つ上って……高3じゃん……




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