Flower Pink
「……じゃあしょうがない! 私には港斗も皐月もいる。桜雅1人いなくなったって元の私に戻るだけだもの!」
「奏、でも俺は奏のこともー……!」
" 守りたかった " そう言いたかったのに奏は俺の言葉にいつもより大きい声で言葉重ねた。
「……頑張って桜雅。私も頑張るから」
「奏!」
奏はそれだけ言って、また初めて会った時に見た笑顔を見せてその場を去って行った。
「……またその作り笑いかよ……」
……奏と会って話した日はこの日が最後で、この日から奏と連絡を取り合うこともできなくて、一度も会うこともなく俺は東京に引っ越した。