2月14日
「あれ、健太じゃん。久しぶり。誰かと待ち合わせ?」

「いや……」

 健太は辺りを見回して、知り合いがいないことを確かめると

「お前を待ってた」と言った。

「えっ?」

 驚いているわたしを後目に、健太はさっさと歩きはじめる。

「ちょっと待ってよ。どういうことー?」

 なんだろう? 変なの。

 わたしは早足で追いかけて、健太の隣に並んだ。

「学校どう? サッカー部忙しい」

 と当たり障りのない話題をふる。

 けれど、健太はどこかうわの空で生返事するばっかり。

 やっぱり変だ。
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