伝えたい。あなたに。"second story"

『ゆうか、山瀬先生とのことだけどさ、どう思う？』


そんなことを考えている私とは裏腹にお母さんが言った。

『どう思うって？』


『まあ、私たちのことは気にしないで、好きにしていいから。』


『あぁ、うん。』


山瀬先生とのことは、心の片隅にはあったけれど、月日が経つとともに薄れていくものなのかもしれないと思っていた。


親が結婚を望むならと思っていたけれど、果たしてどうなのかはわからない。


好きな人と結婚すればいいという考えはあるのだろう。そして、それが山瀬先生だったら、と両親は思っているのかもしれない。


誰かの言う通りに。


今ではそんなことは求められていないとわかっている。


—————ゆうかちゃん。ピアノの練習。


英語教室の時間ですよ。


わがままを言ってはいけません。


言うことを聞いて。


ダメと言ったらダメ。


....自分の幼少期を回想する。


身の回りのあらゆることで、誰かが決めたことをしてきたんだ。それが普通でそれでいいのだと疑わなかった。