伝えたい。あなたに。"second story"
どんな日も

あなたが笑うから

目が覚めるたび、思い出す影と痛みは勢いを弱めることなく何度でも私に突き刺さる。



胸に手を当てる。



それは次第に見えない何かを取り去るように、強く掴む。



もう、、



いや、、





しばらくすると扉が開いた。
もう夜は遅いはず。



『あ、起こしちゃった?ごめんね、様子見にきたの。』



『うん。』



『泣いてたの?』



.....



『手かして。』



布団の中から少しだけ手を出す。



『脈が少し速いよ。苦しくない?』



小さな声で言う。



『うん。』



『ゆうか、少しだけ病院にいようか。その方が安心だと思うんだけど。』



『いいよ。』



『そっか、、



、、、、



ごめんね。』




『なんで謝るの。』



『いや、力になれてるかなって。』



『山瀬先生のおかげで、今の私があるの。これ以上ないくらい、先生には、、お世話になってるの。謝らない、、で。』



声が震えてしまう。
先生はうつむいている。



雲の隙間から月の光が先生を照らしたとき、目元に光るものが見えた。そこにいたのは、医者としての山瀬先生ではなく、泰志さんだった。



ふと自分の悲しみより、泰志さんが泣いていることの方が辛くなって。ベッドから体を起こした。



『山瀬先生、、、



『冷えるから、ちゃんとベッドに入って。また明日来るね。おやすみ。』



そう言いながら微笑む泰志さんは初めて見る顔をしていた。





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