彼女は実は男で溺愛で
「それなら、なおさら」
「中古扱いで、それなりの金額を収めればいいから、心配しないで。立場を利用して、くすねてもいないからね」
「くすねる、だなんて。悠里さんは、卑怯な真似しないですよ」
なんの疑いもなく、思いを口にすると悠里さんは眉をひそめた。
「外見では、騙しているのに?」
ハッとして彼女を見ると、閉じた口元の口角を上げ、形だけの笑みを作った。
「あの」
「だからこれは口止め料」
悪戯っぽく言う彼女の瞳の奥が寂しそうに見えるのは、考え過ぎなのだろうか。
胸が苦しくて、胸の前で自分の両手を握る。
「私」
言いかけた言葉は遮られ、悠里さんは重ねた。
「下着みたいに喜んで着てくれるのが、一番嬉しいの」
優しい穏やかな表情を向けられ、小さく頷いた。