彼女は実は男で溺愛で

 その手が体のラインをなぞる。

「ん……」

「ふふっ。声がエッチ。」

「やっ、ごめん、なさい。」

「ううん。いいの。敏感なところにも、触れちゃうものね。わざとじゃないのよ」

 里穂さんは至って事務的だ。
 多分、最初からなにも変わらず、テキパキとボディメイクをしている。

 それなのに、変に反応してしまう自分が恥ずかしい。

 お肉を動かすために添えられる手が、余裕のできた隙間のおかげで、先ほどよりも滑らかに体をなぞっていく。

 その刺激に、息遣いの湿度と温度が上がり、吐息が漏れる。
 危うい声にならないように、必死に息を吐いた。

「さあ、終わり。よく頑張ったわ」

 お肉を動かされる手に引っ張られないように足を踏ん張り、恥ずかしい吐息が声にならないように注意を払う。
 体力から精神力まで削られた気がして、どっと疲れが出た。
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