彼女は実は男で溺愛で
「この瞬間、好きだなあ。喜んでいて、心底いい顔してる」
「だって、すごいです!」
興奮して、鼻息荒く訴える。
「これが本当の史乃ちゃんの胸。今までは合わないブラをして、胸のお肉を外に逃していたのね」
「胸を、逃して」
「そう。ちなみにパッドも入っていないから」
目を見開いて、もう一度自分の胸を見つめる。
おずおずと指先で触れてみると、ぷにっと柔らかい感触。
今まで脇腹で感じた時は憎らしく思っていたのに、胸の位置にあると愛おしく感じるから不思議だ。
「よしっ。ここからよ」
気合を入れ直した里穂さんは、今度はガードルに手を入れた。
腿からお尻周りも左右からお肉を寄せられ、きつかったガードルがフィットしている程度の締め付けに変わる。
その代わりに、脇腹やお腹辺りにお肉がブニョンとはみ出した。
「これも胸のお肉にしましょう」
そんなの出来るわけがない。
そう思うのに、里穂さんにかかると変わっていく。
まるで魔法の手みたいだ。