彼女は実は男で溺愛で
悠里さんは手を顔に当て、バツが悪そうな表情を浮かべて言った。
「ひどく激しくしそうで、我慢、している顔、かも」
カァーッと顔から、全身が火を吹いたように熱くなる。
「その、我慢しないで、ください」
抱き寄せられ、戸惑いの声が漏れる。
「あの」
「史ちゃんに、女の子に、こんなこと言わせるなんて、ダメな男だね」
「そんなっ」
「元々、男か女かわからないような奴だったしね」
私は力一杯、頭を左右に振るう。
「ひとつ聞いてもいい?」
「はい」
「どうして女の人でいてって」
「それは……」
「龍臣の愚行で箍が外れてしまったけれど、女の人でいてって言ったのに、触れてくるから驚いた」