彼女は実は男で溺愛で

 穏やかな声で頷く悠里さんが私の髪に触れ、そっと耳にかけた。
 私は、衝動的に彼に抱きついた。

「悠里さん。私、寂しい」

「うん。大丈夫。俺が傍にいる。お母さんも、史ちゃんのお母さんをやめたわけじゃない」

「はい」

 返事をする声が涙に濡れる。
 私は悠里さんの胸に顔を埋め、抑えられない本音をこぼした。

「悠里さん、悠里さんが好きなんです」

「ああ、うん。ありがとう」

 ギュッと強く腕を回す彼に縋り付く。

「だから、お願い。いなく、ならないで」

 自分で言った言葉に胸を締め付けられ、涙が止まらなくなる。
 悠里さんは私の顔を覗き込むようにして、目を合わせた。

「俺はここにいるよ」

 そっと優しく触れる唇が、胸を痛くさせる。

「さあ。もう寝よう。きっといい夢が見られるから」

 そう言われ、目を閉じた。
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