彼女は実は男で溺愛で
午後からは、夏シーズンの店頭用パンフレットの撮影。
夏向けに、新作追加したアイテムを中心に撮影する。
スタジオNO.に、モデルの情報。
以前に作成した資料が使われるため、作った本人としては勉強するのには、もってこいだ。
染谷さんは、きっとその点を分かった上で私に今回の撮影を手伝わせるのだろう。
隣のビルの1階。
もう随分前に思える、悠里さんと初めて待ち合わせした休憩室で染谷さんを待つ。
「お待たせ」
声をかけられ振り向くと、そこには正真正銘、悠里さんがいた。
つまり女性側の、というわけだ。
「ど、どうしたんですか?」
「混乱させて、ごめんなさいね。こっちの仕事はこっち側の方がやりやすいの」
こっち、こっち、言われても分からない。
「まあ、見ていれば、史ちゃんなら分かると思うわ」
理解できないまま、彼女の……と呼ぶべき悠里さんの後をついていく。