彼女は実は男で溺愛で
「こっちのも食べるでしょう。取り分けてあげる」
サラダやパスタを取り分けてくれ、チーズフォンデュの長いフォークと取り皿も渡される。
お世話してくれるお姉さんの姿が、悠里さんのイメージにぴったりだ。
自然な所作でそれらをしながら、私の問いかけの答えをくれる。
「史ちゃんは、それでいいの? 仮にも性別は男のわけだし」
「それは」
確かに驚いた。
それでも改めて悠里さんに会ってみて、自分の気持ちに変化はなかった。
きっと、悠里さんに会えなくなる方が嫌だ。
染谷さん側の、仕事だけの関わりになるのは寂しかった。
「あの、ほかにも質問はしていいのですか?」
「うん。答えられる範囲でよければ、答えるわ」
柔らかな微笑みを向けてくれ、安堵する。