Get over it.
ガーディアンの二階には5人の男がソファーに座っていた。

その顔には、何か浮かない表情が張り付く。

「なぁ~、俺達何を見てたのかな・・・」

類の弱々しい声がぽつりと部屋に落ちる。

その言葉に他の4人の顔が歪む。




玲が美乃里を攫った首謀者としてガーディアンを追放してから俺達の
心には、何とも言えない喪失感があった。

信じた仲間に裏切られた思い、悔しさ・・・。

玲は追放した翌日、跡形もなくいなくなってしまっていた。


攫われる事件があった後も、俺の彼女として美乃里は毎日Barについて来た

でも、俺は段々美乃里との時間が苦痛になってきていた。

そりゃそうだろう・・・元々、好きではない女なんだから・・・。

そう思い始めた頃、樹が俺に聞いて来た。

「響って、美乃里ちゃんに冷たいんじゃない?溺愛のお姫様だろ?」

「なんだよ、それ?」

「イヤ、言葉通りだけど?」

「俺は美乃里の事は別に好きでもないし、手も出してない。
 お前達や玲が言うから、付き合うっていうことにしただけだ。
 俺が好きなのは・・・玲だったからな・・・」

「ハァ~!?何だよ、それ!」

「でも、玲もいなくなってしまったしな・・・。
 俺は、何をしてたんだろうな・・・。」


そんな事を呟きながら紫煙が上に伸びるさまを眺めていた。





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