雨の滴と恋の雫とエトセトラ

 噂をすれば何とやら──。

 なんとそこには池谷君がいた。

 制服姿の女子高生が固まっているだけで目立つ狭い空間は、すでに身を隠す事ができない。

 無駄な抵抗とわかっていても、本能的に見つからないようにと体が縮こまる。

 そんな努力も甲斐なく、その時千佳が声を出した。

「アキ! あんたも来たの?」

「なんだ千佳もかの子もきてたのか」

「なんだとはないでしょ。明彦」

 かの子もどうやら知っている様子。

 そこに池谷君が私を見てしまい、嫌味っぽく笑顔を見せた。

「おっ、倉持じゃないか」

「なんで、池谷君がここにいるのよ」

「あれ、瑛太の知り合いが、千佳の友達なんだ。へぇ、すごい偶然」

 千佳にアキと呼ばれた男の子は私達の近くに寄ってきた。 

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