嘘の仮面




「誠ー! 今日の放課後って暇!?」

「わっ。 突然何? 今日は空いてるけど…」

「やった! 最近誠レアキャラなんだもん、暇でよかった!
 ってことで放課後どこか行かない!?」

「別にいいけど…ちょっと声抑えようか、めっちゃ視線集めてるから」


その言葉にはっと我に返ったのか、きょろきょろと教室を見渡す。

クラス中の視線を集めていることに気づいたのか、一つ頬を掻いて苦笑いした。



屋上で話そうと提案をするとそれに乗っかってきた唯斗は、俺の手を引いて走り出す。

急に走り始めたもんだから全然態勢が整ってなかった自分の身体からみしって音がした。

 
俺の身体、大丈夫かな。



屋上に着くなり、唯斗が扉が外れる勢いで盛大にドアを開けた。

開けたドアが壁に跳ね返って腕にぶつかる。


結構な勢いでぶつかってきた扉に思わず声を漏らした。



でもそのことに唯斗は気づかないまま、ドアがぶつかった腕をつかんで進んでいく。


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