一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

 指が絡んでいる。

 ひとつひとつの歯が交互に噛み合う歯車みたいに、ぴたりと合わさって、私をベッドに縫いとめる。

 どんなに重ねても決してひとつになることはない体を限界まで近づけて、お互いの吐息や体温を溶けあわせて、何度も交わったその夜。

 私は雅臣の隣で、ひさしぶりに夢も見ないくらい、ぐっすりと眠った。

 







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