一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
端正な顔が上目遣いに私を見上げ、ますます心臓が騒ぐ。
自分の旦那様にこんなに胸がときめくなんて。結婚を受け入れた最初のときは、考えもしなかった。
「十分、愛情深いと思います」
不思議そうに私を見つめる彼を、まっすぐ見つめ返す。
あなたは『愛を知らない』なんて言ってたけれど。
「愛されてるって、ものすごく感じるもの」
妻になれと言われたとき、私はこれから先に訪れるかもしれなかった誰かとの恋愛の機会を捨て去って、恋も愛も知らないまま、ただ形だけの妻として役割を果たすのだと思っていた。
女として愛されることもなく、誰かを愛することもないまま生きていくのだと思っていたのに。