一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る

「私、今、すごく幸せだわ」

 心からの想いを口にして微笑んだ瞬間、思いがけず目じりから涙がこぼれ落ちた。

 驚いたように目を見張っていた雅臣が、ふっと表情を崩す。

「そうか」

 静かに抱き寄せられ、おとなしく彼の胸におさまった。雅臣の体温はいつだって私にやさしくて、手放しで安心できる。

 しばらくそうやって抱き合っていたら、「ん?」と頭上から声が降ってきた。

 次の瞬間、いきなりガウンの後ろ襟をひっぱられ、心臓が止まりそうになる。

「や、ちょっ」

 慌てて乱れた服を直そうにも、手遅れだった。雅臣の顔には不敵な笑みが浮かんでいる。

「なるほど、着たのか。今夜はもっと深く愛し合えそうだな」

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