負け犬の傷に、キス
一も二もなく頷いたら、ワンテンポ遅れて聞き返された。もう一度首を縦に振る。ユキは口をあんぐり開けてフリーズした。
なぜか薫と柏があちゃーと額を押さえる。
「出たよお人好し……」
「バカだ……アホだ……」
な、なんだよふたりして!
俺おかしいこと言った!?
「博くんとユキは悪い人じゃないんだからいいだろ?」
「秘密の内容にもよるでしょ!」
「いきなり同盟とか考えなしにもほどがあんだろ。第一、下っ端どもになんて言う気だ」
「そ、それは、その……そ、総長権限だよ!」
「「こういうときだけちゃっかり使うな!」」
めちゃくちゃ反対されるんだが……!?
ええ……俺の提案ってそんなにひどい?
同盟よくない? かっこよくない?
標的たちをどうにかするなら、人数的にも勢力的にも同盟が一番!……だと思うんだけどなあ。
「ふ、ふたりが言いたいこともわかるよ? 博くんとユキはまだ怪しいし、秘密はすっごく気になる。それに正直、双雷全体のことは考えてなかった」
「だったら考え直し……」
「でも企みを知った以上、見て見ぬフリなんかできないよ」
苦く微笑むと、薫は押し黙った。