ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
眠れない夜もまだ多い。

自分がもっとちゃんとしていれば香菜が死ななかったという事実に、香菜の命と交換で来たらいいのにと思うこともしょっちゅうだ。


でも確実に自分は年をとっている。
笑うことも増えた。
生きることに目的すら持ち始めた。
香菜のいない世界で、生きていることを実感し始めた。


海は自分の中で起きている変化に、頭では気づいていても心が追い付いていなかった。

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