『好き』って気持ちを伝える日
3月14日
ガチャと部屋のドアが開く。

 「うわーすげ〜ヒロッ」とキョロキョロと誠司は部屋を見渡しながらコートを脱ぎ入り口にあるハンガーにかける。

 「そうでしょ」と梨沙子は自慢げに言う。

 「見て回っていい?」

 「その前にコレつけて」とお気に入りの旅行用の煤竹色(ススタケイロ)の牛革製のバッグから猫の黒耳カチューシャと長い黒猫尻尾を出し誠司の頭にカチューシャ、ベルトに大きなクリップの様なもので挟むように尻尾をつけ、薄型化のモバイルバッテリーの様なもを誠司のワイシャツの胸ポケットに入れ、両手首には黒のファーをつけ首にはいつもの赤色にスズがついたチョーカーをつけた。

 「何これ?」

 「いいから、いいから」とカチューシャに先端とベルトを挟んでるところについているボタンとバッテリーの側面についているボタンとファーのつなぎ目についていくボタンをポチッと押すとグゥゥ〜ン起動音が鳴りボタンのところが青く光る。

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