リベンジ学園
『峯岸凉子、お前がさっき言った言葉はきっと正しい』



紗栄子が加藤の遺体から制裁の槍を引き抜き、加藤の遺体を床に投げ捨てると、紗栄子はゆっくりと凉子の方を振り返った。



『でもお前は想像できるか?

私が絶望の中で死んでいったのに、そんなことが何もなかったかのようにお前らが幸せに生きている世界を。

そして私がその世界をどんな思いで見ているかを』



凉子は紗栄子から送られてくるメッセージを見て体が震えた。



紗栄子の3年2組の生徒への恨みと憎しみは、凉子が想像していたよりもずっと奥深くて、払拭することなどできないのだ。



凉子はそのことを知り、紗栄子への説得が無駄であることにようやく気づいた。



『私もみんなと同じでいたかった。

笑いながら、普通の中学生活を送りたかった。

未来に希望を持ちたかった。

小さな夢を見ていたかった』



「ダメだよ、凉子。

どんなことがあっても紗栄子は私たちを許してくれない!

紗栄子はもう昔の紗栄子とは違うんだよ!」



麻耶のその言葉を聞いて、凉子の恐怖はさらにふくれ上がった。



このままじゃ、紗栄子に殺される!



加藤先生のように残酷に!



そう思うと凉子はとっさに麻耶の手を握りしめ、ベランダ側のの出口へと全力で走り出していた。
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