リベンジ学園
「宏和、殺人ネズミが……」



梨華は恐怖で声を震わせていた。



そのとき宏和は近くにあったイスを握りしめて梨華に言った。



「梨華、ベランダ側のドアからすぐに逃げろ！」



ドアに穴が開いたあとも殺人ネズミはドアに体当たりを続け、二人と殺人ネズミを隔てているドアは今にも突破されそうになっていた。



梨華はその緊迫の場面を目にしながら、宏和に言葉を返した。



「逃げろって……、宏和はどうするつもりなの？」



「オレはこの憎たらしいネズミをぶちのめしてから梨華を追う」



「でも、宏和！」



梨華がそう言ったとき、ドアに開いた大きな穴から殺人ネズミが頭を出した。



宏和はその殺人ネズミの頭をイスで思いっきり殴りつけた。



「殺人ネズミが一匹ずつしか教室に入ってこれないなら、オレがこいつらを殴り続ける。

その間に梨華は逃げろ！」



「でも、宏和……」



「いいから、逃げろ！」



梨華は宏和の語気に押されて、宏和に反論するのを止めてしまった。



そして梨華は、しばらくの間、殺人ネズミと戦う宏和を見つめたあとに、決意を固めてこう言った。
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