リベンジ学園
「でかしたぞ、辰雄!

お前の一撃が紗栄子に効いてる!」



虎治のその言葉で辰雄は思わず夢を見た。



自分の力でたくさんのクラスメイトを殺してきた小原紗栄子を倒せると。



辰雄は恍惚感に包まれ、無我夢中のままに再びバッドを振りかぶった。



でも辰雄が再びバッドを振り下ろそうとした次の瞬間、紗栄子が右手に握りしめた制裁の槍が高速で辰雄の喉に伸びてきて、辰雄の喉を一瞬で貫いた。



(何で……。

オレが紗栄子を倒すはずだったのに……)



辰雄はあまりにも高速で起きた逆転劇の中で、なぜ自分が紗栄子に喉を刺されているのかを理解できずに目を閉じた。



辰雄の喉からは真っ赤な血が噴水のように吹き出し、廊下を赤く染めていた。



虎治はそんな紗栄子の底力を目の当たりにして、思わず小声でつぶやいていた。



「このバケモノめ……。

肩の骨を砕かれても戦いを止めねぇのかよ」



虎治は紗栄子の予想以上のバケモノぶりに、紗栄子と少し距離を取り、紗栄子を警戒しながらバッドを紗栄子の方へと突き出した。



『復讐は3年2組の生徒を皆殺しにするまで終わらない。

原島虎治、次はお前だ!』



虎治はマイページのチャット画面に現れた紗栄子からのメッセージを見てニヤリと笑った。



紗栄子が本気で自分を殺しにくるなら、全力で紗栄子を殺すことにためらう必要は少しもない。



今から始まる戦いは普通の中学生の遊びのケンカとはわけが違う。



どっちが先に死ぬか、命をかけた戦いだ。
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