リベンジ学園
そして神の領域に足を踏み入れた生神亮治は、サイコパスな一面も持っていた。



生神は様々な命を研究の末に生み出したが、一方で死というものを誰よりも意識している科学者だ。



死という概念があるからこそ、生は眩い光と共に輝く。



闇の存在があるからこそ、人は初めて光の存在に気づき、絶望があるからこそ、人は希望の尊さを知る。



生神は実験という名の元にたくさんの命を奪ってきた。



新種の狂暴な生物を作り出したその日には、新鮮な生け贄が実験場に送り込まれ、残酷な弱肉強食の世界が繰り広げられる。



新種の生物の生け贄になるのは、大概が犬、猫、ネズミであったが、生神は地下施設の実験場で幼い子供でさえも生け贄にしたことがある。



その子は両親に捨てられ、養護施設で暮らしていたが、ある日、国の科学者チームが生神の要望を叶えるために、その子を実験場へと連れてきた。



そしてその子は狂暴な巨大ネズミの集団の中に投げ込まれ、パニック状態で逃げ惑い、狂乱の中で泣き叫んだ末に巨大ネズミたちに食い殺された。



生神はその様子を何かのショーでも見ているように、口元に微笑みをたたえ、うれしそうに見つめていた




そんな生神の精神状態を理解できる人はまずいない。



天才と言われる人は、心の中に重大な欠陥を持っているものだからと言って、国の科学者チームのメンバーは生神の常人離れした精神を理解するように努めていた。
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