リベンジ学園
「ねぇ、紗栄子。

どうしてお前がいじめられているかわかる?」



クラスの女王、村上晴江がそう言った言葉を美樹子も教室の隅で聞いていた。



「私はね、今の国民総平等時代ってつまらないと思うの。

だってそうでしょ。

私や早苗や菜々美、そしてあんたまでもが一緒なら、それこそ不平等ってものじゃない。

あんたみたいに、みじめにいじめられている奴がいるから、私たちは特別になれるの。

人はね、本当は順位をつけるのが好きなのよ。

私たちはお前をいじめ抜く理由はそれなんだ。

お前が不幸になればなるほど、私たちは幸せな気持ちになれるのよ」



晴江の言い分は強者のエゴだ。



理不尽にいじめられている紗栄子にしたら、晴江の言い分は自己中心的で理不尽な考えだ。



美樹子はそう思って、紗栄子を気の毒に思っていたが、紗栄子を助けようとは思わなかった。



なぜなら、紗栄子がどんなにつらい目に合ったとしても、自分は少しもつらくないから。
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