彼女と私の見分けかた

私だけのしるし

ため息しかでなかった。

午前中で授業が終われば、お昼を食べたら練習試合でT高にいくのだ。

会うことも話すこともないけれど、服部くんのいる学校に行くことは気が重い。

キャプテンとコーチからは今日の試合で結果を出せれば、関東大会、インターハイ予選にベンチ入りしてスタメン起用も可能だからと昨日言われた。

落ち込んでる場合じゃないのはわかってる。
3年生にとっては最後の夏だ。
2年でスタメン入りした責任も重さもわかっていたはずなのに…。

食事もあまり喉をとおらないし、眠りも浅い。

好きだって言ってくれたのに、私の気持ちを伝える前に向けられた冷たい瞳。

睡眠がとれていない頭は、考える気力もなくなっていて、思い浮かぶのはあの時向けられた冷たい瞳の彼の顔だ。

恋愛でこんなにも自分がダメージを受けてメンタルがやられるなんて思わなかった。

それくらい、毎朝見ているだけだった彼が1年で私の中にすっかり入り込んでしまったんだろう。
< 106 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop