彼女と私の見分けかた
「うーん…やっぱり訂正します。
努力はするけど…無理…かも…」

前髪をくしゃりと掴み、困り顔の服部くんに私の胸がきゅん!とする。

可愛い…。

格好可愛い!!!

ドキドキする胸を右手で押さえ、赤くなり緩む頬をどうすることもできなくて、目があった母はそんな私を見て軽くため息をついて目尻を下げた。

「本当に真っ直ぐで素直なのね。
菜月を大事に想ってくれてありがとう。
菜月も、負けないくらい大好きなのね」

母の言葉に私の顔がますます赤くなり、そんな私を見た服部くんが嬉しそうに笑った。

「しょうがないからその辺は服部くんにまかせるわね。
でも、まだ2人とも17歳だからこの先環境の違いやもっともっとたくさんの人との出会いがあると思うの。
服部くん、菜月に縛られないでもし違う道が見えたら…ね?

今から将来まで考えて菜月と付き合わなくていいから。

今を仲良く楽しくお付き合いして?ね。」

「はい…」

服部くんは、母の言葉に半分納得していないような顔をしながら頷いた。

うん、私も母の言いたいことはわかる。

私たちは今日から付き合いはじめて、まだ高校2年生だ。

将来のことは全然想像なんてできない。

医者を目指している彼に対して、私は自分の未来すら見えていないのに、誰かと共に歩む未来なんて想像すらできない。
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