苦労年齢

｢もしも～し？ヒデ？朝早くごめーん！私結婚するから～ごめんねぇ｣
｢いや、軽っ！なにそれ？！意味わかんない。｣
｢そーゆーことだから～ごめんね～｣
朝早く電話をして、それだけを伝えて電話を切った。
私はある意味新たな気持ちでいた。その時は新たな恋に盲目になっていたのだろうか。
今振り返れば最低の行動と発言と…ヒデの心を踏みにじって、ズタズタにしていたに違いない。
そのタイミングでオープンした時に居た店に異動というか、戻った。
移動時間1時間は悪阻が酷かった私は耐えられなかったが、すぐに異動とはいかず、毎日ビニール袋とトイレットペーパーを持ちながら移動していた。悪阻が落ち着いた頃ようやく戻れたわけだ。
菊田さんの元で修行のような毎日を送ってきて、それを活かさないわけにはいかない。
私の相方のまみちゃんにも伝授するように、売り場の演出、隙間を活かした陳列、売りたい商品をどう配置するか、ラッピングしてボリュームを出す。POPの書き方、ありとあらゆる事を伝えた。
売上トップの店の貴重な経験。異動したいと願ってもなかなか異動できない店だ。全てにおいて何一つ無駄なことなど無い日々だった。
やはり私に関わる全ての人に感謝だ。