きっと貴方は………好きになる
「アイツ!!!」

仮にも教師をアイツ呼ばわりして、怒りを露にする響に。

「ダメ!
デートを邪魔したのは、私達なんだよ。
それに………
響とマコちゃんが揉めたら………
お姉さんが悲しむ。」

そう伝えると

しぶしぶ乗り込むのを諦めた。

お兄ちゃん………来てるんだぁ~

登校時は、挨拶するから顔を見るけど。

それ以外は、ずっと顔を見ることはなかったんだよね………。

逢いたくないのに………

『いるよ。』って聞くと

ドキドキして、扉の奥が気になる。

チラチラ気にする私に。

「和花は、どうしたい?
会いたいなら………一緒に行くよ。」って。

響は、いつも私を優先してくれる。

会いたいか。

会いたくないのか…………。

正直分からない。

悩む私の腕を取ったと思うと

再度扉に向かった。

「……えっ?………あっ……響?…………」

戸惑う私に振り向いて。

「迷うってことは………
答えが出てるんだよ。
忘れられないなら………無理は止めろ。
本気で忘れたいなら……いつだって付き合うけど………。
自分にウソをついて、しんどくなるなら………
自分に正直になれ。」

そう言うと

グイグイ引っ張って………。
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