忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
2週間後。
忍はあれからフェアディーに会っていない。
歩道橋に行ってみて会えるかな? と待ってみたこともあったが会えないままで。
あれは夢だったのか? と思うくらいだった。
1度だけ夢を見た忍。
フェアディーが家に来てくれた夢だった。
寝ている忍の所に来て添い寝してくれた夢を見た。
誰かと寝るなんて久しぶりだと思って嬉しかった。
でも目が覚めると1人で。
それでも不思議と温かく感じて、とても満たされている自分がいた。
もう会えないのかな?
そう思っていた。
今日は月が綺麗な夜。
会社に呼び出され遅くまで仕事をしていた忍は、月を見ながら歩いていた。
すると。
歩道橋の上に、フェアディーのような姿が目に入って来た。
もう一度目を凝らしてみると、間違いなくフェアディーだった。
嬉しい気持ちが高鳴り、忍は走り出した。
歩道橋の上では、フェアディーが佇んでいた。
今日はブルー系のふわふわとしたワンピースで、スカート丈は膝下くらいで綺麗な足が魅力的。
靴は忍が買ってくれた広いパンプスを履いている。
長い髪をアップに結っていて、はっきり見えるフェアディーの顔はとても可愛くてキュンと鳴るくらいだ。
走って来る足音が聞こえて、フェアディーはそっと振り向いた。
嬉しそうに駆け寄って来る忍の姿が目に入ると、フェアディーも嬉しそうに微笑んだ。
「久しぶりだね、フェアディー」
傍に来た忍は満面の笑みをフェアディーに向けた。
「お久しぶりですね、忍さん。私の事、覚えていてくれたのですね? 」
「ああ、忘れるわけないじゃん」
「嬉しいです」
「ねぇ、ご飯行かない? この前の所とは違うところだけど」
「そうですね、ちょうどお腹が空いてきたところです」
忍はフェアディーの手を引いて歩き出した。