お嬢様と呼ばないで
やがてガクン!とうなだれてた岩鉄に1人が手を挙げた。
「あの……いいですか?うちの学園は、そういうのばっかりですが」
「だからだ!だからなんじゃ………う?」
ここで喉が詰まりそうになった岩鉄に1人がお茶を飲ませた。
「バッカ?めっちゃ熱いわ?!くそ?……いいか。わしは美友には学園生活は無理だと思うのじゃ……」
老学園長は孫娘は世間から手厳し扱いを受ければ学校を諦めるだろうと顎ヒゲを撫でた。
「調子良いこと言って、でも手厳しい扱いって。可哀想に……」
「全く、何言ってんだよ……それが血の繋がった身内のすることかよ!」
「いかがしましょうか。私としてもちょっと」
呆れる三人を前に岩鉄はチーンと鼻をかんだ。
「うるさい!美友誰に似たのか頑固者で話を聞かぬ!しかし。怪我などしては困るのじゃ……」
そこでこの三人に密かに守れと話した岩鉄は、よっこいしょ!っと立ち上がった。
「誰にも内緒って?無茶な……」
「無理に決まってるだろう!」
「本人にも、学校にもですよね?」
いや!いや!いや!無理!?無理!無理!!?と首と手を振る弱気な三人に、岩鉄は花粉でかゆい充血した眼をかっと見開いた。
「黙れい!わしは美友に約束させたんじゃ!この学園の孫娘だということを秘密にすると。それでも美友は通うと決めたんじゃ!これは命令じゃ!守れ!さあ、行け!行った行った!」
「「「……はい」」」