お嬢様と呼ばないで
「まだ測ってないだろうが……」
頭を抱える疾風に背後の男性教師は優しく微笑んだ。
「おっしゃる通り世の中には色んな順番がありますからね。さあ、桜田さんはどこかな」
「……あったわ。私は1組です。自分で見つけられたわ!嬉しい!」
喜ぶ美友にイケメン教師は眼鏡を押し上げていた。
「私も嬉しいです。そんなに喜んでもらえて」
「ウフフ!ねえ、疾風君は私が探してあげるわ、ええと。酒星」
「もう知ってる……俺も同じ1組だから」
すると教師はうんとうなづいた。
「そうですか?奇遇ですね。私は1組の担任なんですよ。さあ、参りましょうか」
「はい!」
「はいはい……」
こうして2人はようやく席に座った。
教室内は早く友人を作ろうと特に女子は必死になって挨拶をしていた。
「はじめまして!あなたはどこの中学だったの?」
「私ですか?北山大学附属あっと?おホホホ。名もなき粗末な学校よ」
「??」
「あの!いいから。すまない。こいつは緊張しているみたいで……」