お嬢様と呼ばないで

7 全力投球


「そ、か。飛ばす距離を測るのか」

「……本当に何も知らないみたいだね」

「うん。でも楽しそうね」


そんな話の中、芹那が投げる順番になった。

これを美友はじっと見ていた。

腕や肩をぐるぐる回すストレッチをした真剣な顔の芹那が、美友にはカッコよく見えてドキドキしていた。

こんな彼女はボールを持つとスイッチが入りどりゃ〜!と空に向かって投げた。


「キャ〜〜!カッコいい!」

「そう?」

「レーザービームって初めて見た!……ス・テ・キ!」


嬉しそうに飛び上がる美友に恥ずかしい芹那だったが、確かに記録は出ていた。


「おい、これはうらら学園女子のニューレコードだ!」


距離を測った山下の声に女子達はおおお!と拍手をした。



「記録更新か。ま、こんなもんか?」

「カッコいい……私、梅本さんのファンになっちゃった」
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