お嬢様と呼ばないで

白い目で見られた芹那は部にいられず退部したが、これが返って自分が犯人だと責任取った感じに思われたと彼女は話した。



「あれは失敗だったな。で、結局犯人が出てきたんだけど」

「誰だったの?」

「盗まれたって騒いだ本人だよ。年上彼氏に貢いでいたんだって」

「ひどいわ?犯罪よ!」

「芹那ちゃん。可哀想」


当時、周囲の人は謝ってくれたけど、もうみんなが嫌いになったと芹那は話した。


「今でもネットで私の名前をリサーチしたら、泥棒って出ると思うよ」

「私はそんなことしないから平気よ」

「うん。信じる」


こうして仲良しになった三人娘だったが、部屋のドアからノック音がした。


「きゃあ!」

「もしもし君達。下校の時間ですよ?」



つづく
< 64 / 127 >

この作品をシェア

pagetop