お嬢様と呼ばないで


「フフッフ。桜田さんって面白いね」

「そうですか?ええと」

花雲はみんなに良平と呼んでくれと話した。

「俺も下の名前でいいかな?」

「いいわよ。なんか友達みたいね」

「おっと桜田さん?もう友達だと思ってたんだけど……」

仲間にあははと笑われ落ち込む姿の良平に疾風は気にすんな!と耳打ちして一緒に歩き続けていた。

こんな一行は、上学年達からしきりに勧誘されていた。

「ねえ、あなた。一緒にソフトボールやらない?」

「しません」

「ちょっと。背筋がピンとして綺麗だわ……一緒にテニスしない?」

「それ関係ないですよね!」
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