お嬢様と呼ばないで

6 心の花

19心の花

「俺。中学の時にお前のことを聞かれたから、お前の家のことを言ったんだけど。まさかその事でお前が虐められるなんて思わなくて」

「やっぱり良ちゃんだったの」

「ごめんっ!あの後、何度もお前の家に謝りに行ったんだけど、お前の父さんに追い返されて」

それは初耳だったすみれはびっくりして聞いていた。

「本当なの?」

「ああ。だから毎日プリント持っていってさ。それでも怒られて」

「だから良ちゃんが来ていたんだ」

驚きの連続のすみれに彼はうんとうなづいた。

「でもさ。お前の爺さんが一緒に温室に入れてくれて。お前の様子を教えてくれたんだ」

「そうだったの」
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