平然と嘘

純也・・・・・

夕紀とは、中学時代から付き合っていた。

夕紀は、身長は高くないが
可愛い顔をしている女の子だった。

俺達の初めては、夕紀であり
夕紀の初めても、俺だった。

そんな夕紀と大学が離れ
会えないことで喧嘩して別れたり
又、元サヤになったり
そんなことを繰り返していた。

そんなときに、
夕紀が体調をくずした事を知らずに
夕紀の所に訪れた俺は、
夕紀が男といるのを見て
カァッとなり、その場で別れを告げた。

夕紀は、言い訳をしていたが
俺は、一切聞く耳をもつことは
なかった。

夕紀と別れてから五年。

夕紀を忘れられなくて
必死だったが
母さんの紹介で澪と出会った。

澪は、165センチと高い身長に
スラリとした体型
漆黒の髪は、鎖骨ほどあり
綺麗な顔をした女性だった。

こんな綺麗な人に
彼氏がいないのかと
疑う程だったが
仕事熱心で仕事中心の為
彼氏をつくる暇もないとか・・・
そんな彼女は、
母親のお気に入りの看護師だと
話していた。

澪は、料理も上手で
優しくて謙虚で
澪の作る雰囲気は癒しだった。

付き合って、しばらくした頃に
結婚を申し込んだが
良い返事をもらえずにいた。
そんなとき・・・・・

澪の大好きなお父さんが亡くなり
澪の落胆や悲しむ姿に、
澪のそばにいないと
壊れてしまうのではないかと
澪から離れられなかった。

そんな俺に
お父さんの葬儀から
半年後に澪から結婚の
承諾をもらった。

それからは、幸せに暮らしていた。

澪は、妊娠すると直ぐに
看護師の仕事を辞めた。

妊娠当初は悪阻が酷く
毎日早く帰っていた。

掃除、洗濯ができるわけではないが
澪に教えてもらいながら
手伝いをしたり、買い物をしたり
と、少しでも澪の為にしてやりたかった。

そんな俺が、
買い物しているときに
「純也?純也じゃない?」
と、言われて振り向くと
夕紀が立っていた。

「夕紀か?」
と、言うと
「そうだよ。」
と、言い
近くのカフェで話をした。

夕紀は、相変わらず
小さくて可愛いかった。
「結婚したんだけど離婚して実家に
帰っているの」
と、言われて連絡先を交換して
その日は別れた。

俺は、澪を大切に思っているし
子供もでき
夕紀と、どうこうなるつもりは
なかった。
ただの幼馴染みが、帰ってきた
ぐらい・・・・だった・・・が・・・・

夕紀から連絡が合って
二人で飲んだ時に
離婚して寂しいと泣く夕紀を
抱き締めてしまった。

それからは、なし崩しに
体の関係が始まった。

妊娠して悪阻で苦しんでいる
澪を抱けずにいたからなのか・・・・・

それからは、
澪に残業だ・・・・
休出だ・・・・
出張だ・・・・
と、言っては夕紀と会っていた。

会うたびに抱き合い・・・
「純也、愛してるの
やっぱり、あなたが好きなの」
「俺も、愛してる」
「ああ‥‥‥ん‥‥‥きもち‥‥いいっ‥‥」
「くっ‥‥‥‥はぁっ‥‥‥‥ん‥‥‥‥」

澪に悪いと思いながら
夕紀との逢瀬をやめられずにいた時に
お袋に呼ばれた。

実家に帰ると
夕紀が実家にいて驚いていたら・・・

お袋から
俺達二人が歩いている所や
ホテルに入って行くのを
何度か、お袋の部下が見て
知らせてくれたと
澪の仲間でもある人達は、
悩みながら話してくれた
と、言って
俺を殴った。

それから、澪や夕紀の親も
呼ばれて、話し合いが合った。

夕紀も俺も夕紀の親父さんから
殴られた。

澪は、寝耳に水で
方針状態だった・・・

そんな澪を見て
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

そんな澪が許してくれるはずもなく
お袋の怒鳴り声と共に
俺は、実家から追い出された。

一人で過ごすマンションは、
日に日に、汚なくなり
自分自身もヨレヨレで
会社の人からも
どうした?と心配される日々を
送っていた。
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