三次元彼氏。
「…早瀬」
「んー?」
「天音さんのこと大好きなんだね」
「ぅごほっ」
水を喉に詰まらず早瀬。
してやったり。
「おまっ…まさかさっきの根に持って…」
「お待たせしましたー」
そこでタイミングよく、注文したものが運ばれてきた。
「————で、他は?」
「何が?」
「ほのかちゃんだよ、さっき話してただろ」
「またその話? もういいじゃんさっき話したよ」
「いーや、俺はまだ何かあると踏んでる」
何だよ………ってか口の周りにケチャップつけてるし。
アイスコーヒーを飲みながら、目の前で美味しそうにオムライスを頬張る早瀬を見る。
「ね、何かないの何か! 俺にも青春分けてくれよ」
「口にもの入れたまま喋らない」
「ひえー、かーちゃんみたい」
「ついでに口周りケチャップついてる」
「え? …まじだ、ありがとうかーちゃん」
「……」
紙ナプキンで口を拭いた早瀬は、で? と続きを催促してくる。
「………強いて言えば」
「おお! 何ナニ」
「家に行った」
「おー! やるじゃんお前!」
「いや、連れて行かれたの方が正しい表現かも」